選挙についてブログSNSで発信するときに注意すべき公職選挙法

選挙についてブログSNSで発信するときに注意すべき公職選挙法

ブログ・SNSでの情報発信と法律ルール#番外編~選挙について書くときに注意すべき公職選挙法~

こんにちは,弁護士の河野佑宜です。

いま,世間では衆議院解散総選挙で盛り上がっていますね。パラレルワーカー,フリーランスの方が発信する情報と選挙はあまり関係なく,選挙のことなどは発信されないかもしれません。

しかし,やはりブログ・SNSで発信する情報は,その時の話題に触れることもあると思います。そして,選挙のことをネット上で発信する場合,あまり知られていない法律の規制があります

そこで,今回は番外編として,選挙とブログ・SNSのことについて解説したいと思います。

 

ネットでの選挙活動は最近解禁された!!

選挙運動については,公職選挙法という法律があります。

実は,2013年4月に公職選挙法が改正され,同年5月に施行されるまで,ネットを利用した選挙活動はできませんでした。しかし,ネットの普及とともに,ネットを利用した選挙活動ができるようになりました。

 

規制される内容・期間

公職選挙法で規制されるのは,「選挙運動期間」における「選挙運動」です。

選挙運動期間とは,選挙の公示・告示日から選挙期日の前日までのことです(公職選挙法第129条)。

選挙運動」とは,「特定の選挙について、特定の候補者の当選を目的として、投票を得又は得させるために直接又は間接に必要かつ有利な行為」とされています。そのため,単なる政治的活動は規制されないことになります(ただし,選挙運動期間中は,その発信が「選挙運動」なのか「政治活動」なのかの線引きは難しいので注意しましょう)。

そして,ネットを利用した選挙運動には2つあります。1つはメールを利用する方法。もう1つはメール以外を利用する方法で,HP・ブログ・SNS・YouTubeなどを利用する方法です。LINEなどのメッセージ機能も,メール以外を利用する方法に含まれます。

簡単にいうと,街中に候補者のポスターが張り出される日から投票前日までの期間,特定の候補者の応援や批判をするような発信には,公職選挙法が適用されるとイメージしてもらうのが分かりやすいと思います。

なお,選挙の公示・告示日よりも前は,公職選挙法の規制が掛かります。公示・告示日よりも前は,選挙運動をすることは禁止されています。

また,選挙当日については公職選挙法の規制が掛かります。選挙当日は,すべての選挙運動が禁止されます(公職選挙法第129条)。ただし,選挙前日までの発信内容はそのままにしておいても大丈夫です(公職選挙法第142条の3第2項)。また,選挙後も,選挙前日までの発信内容をそのままにしておいても大丈夫です。

 

発信する際の注意点①-メールを利用する方法

メールを利用する方法による選挙運動は,候補者・政党等のみができます。

そのため,基本的には,パラレルワーカー,フリーランスの方がメールで選挙活動をすることはできません。

 

発信する際の注意点②-メール以外を利用する方法

2013年の公職選挙法改正で,ネットを利用した選挙活動ができるようになり,HPやブログで特定の候補者について発信してもよいことになりました。

しかし,そのような内容を発信する場合,メールアドレス等を表示することが義務づけられました(改正公職選挙法第142条の3第3項、第142条の5第1項)。

これは,ネット上で選挙活動をしている人と連絡が取れるために定められています。そのため,メールアドレスの他に,返信用フォームのURLやユーザー名などでも構いません。ただし,掲示板等への書き込みの場合にハンドルネームのみの記載ではダメだとされています。

 

まとめ

今回は,番外編として,選挙とブログ・SNSの発信について解説しました。

公職選挙法はネットでの発信だけを規定している法律ではなく,選挙について色々と規定しており複雑な法律です。

このブログを読む方は,本格的に選挙のことについて発信されないと思います。そのため,以下の点だけでも意識できれば十分だと思います。

  • 選挙の公示,告示日より前は規制されない
  • 選挙期間中,メールを利用する選挙運動は,基本的にはできない
  • HP・ブログ・SNSで選挙運動はできる。ただし,メールアドレス等を表示しなければならない
  • 選挙当日はネットを利用した選挙運動はできない

今後のブログでは,法的責任の具体的内容や具体的な問題について,解説していきます。