データで見る企業の思惑(パラレルワーカー&フリーランスのこれから②)

データで見る企業の思惑(パラレルワーカー&フリーランスのこれから②)

前回のおさらい

弁護士の矢内良典(やないりょうすけ)です。

前回の記事では、ワーカー側に焦点を当てて、現在副業をしていない人のうち76%もの人が「副業をしてみたい」と思っていることなどを紹介しました。

今回は、企業側に焦点を当てて、パラレルワーカー&フリーランスに対する企業の思惑を紹介したいと思います。

今回紹介する調査データは、株式会社リクルートキャリア『兼業・副業に対する企業の意識調査』(https://www.recruitcareer.co.jp/news/20170214.pdf)からの引用によるものです。

それでは見ていきましょう。

 「禁止」か「容認」か。

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一目見て明らかですが、

77.2%の企業が「兼業・副業を禁止している」と回答しています。

次に、禁止・容認/推進の理由を見てみましょう。

(画像が見にくくてすみません。気になる方は調査本体をご覧ください。)

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禁止の理由第一位(55.7%)は、「社員の長時間労働・過重労働を助長する」です。

他方、容認/推進の理由第一位(68.7%)は、「特に禁止する理由がない」です。

兼業・副業を容認/推進している企業の多くは、禁止している企業が挙げる様々な禁止の理由について、兼業・副業を禁止する理由にはならないと考えているようです。

就業規則の現在

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兼業・副業を就業規則で禁止している企業が全体の48.0%と、約半数を占めています。

就業規則については、以前の記事で芳賀弁護士も言及していました。

その記事にあるように、従業員の遵守事項として「他の会社の業務などに従事しないこと」と規定している企業が多いのではないかと思います。

その理由の一つとして考えられるのが、「モデル就業規則」の存在です。

モデル就業規則とは、厚生労働省が公表している就業規則のひな型のようなもので、遵守事項についての内容(第3章・第11条)は上記の芳賀弁護士の記事に記載してあるものとほぼ同じものです。

兼業・副業に関する今後の意向は?

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兼業・副業を禁止していると回答した企業の79.3%が、
将来的な兼業・副業について「検討していない」と回答しています。

また、次のグラフを見てください。

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このグラフからは次のことがわかります。

「他社で本業を行う人の雇用を受け入れていない」と回答した企業のうち、

「将来も検討しない」と回答した企業が82.1%

「検討中」又は「将来検討したい」と回答した企業が11.5%

これらの調査結果からすると、兼業・副業に関する将来について、企業側は必ずしも積極的に兼業・副業を認めていこうという姿勢ではないように思われます。

ただ、一つ注意していただきたいのは、これらの調査は「検討するか、しないか」という質問であって、「兼業・副業を認めるか、認めないか」という質問ではないという点です。

つまり、検討するからといって認めるというわけではないということです。

まとめ

・現在、77.2%の企業が副業を禁止している。

・自社以外に本業を持つ労働者を受け入れていない企業の81.2%は、「今後も受け入れを検討しない」

・兼業・副業を容認/推進している理由の第一位は「特に禁止する理由がない」

次回は、パラレルワーカー&フリーランスに関する政府の対応を検討し、今後の展望をお話したいと思います。